鳥  批評と創造の試み

主として現代日本の文学と思想について呟きます。

2023年 謹賀新年 ――兎の病死→再就職決まる→ジョイスに嵌る→柄谷行人『力と交換様式』批判→引越し決まる

2023年 謹賀新年

 

――兎の病死→再就職決まる→ジョイスに嵌る→柄谷行人『力と交換様式』批判→引越し決まる

 





 

 

2023年1月1日(日曜日) 晴れ☀

 

 

 

新年明けましておめでとうございます。

 

旧年中は誠にお世話になりました。

 

本年も宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 ウーーン、なんだかよく分からない一年だったな、と言うのが正直な感想ですね。

2021年の春に長年勤めた会社を突如辞め、その後、就職活動をするも、全く以て鳴かず飛ばずでした。同時並行で兎が病に陥り、秋以降はほぼ毎日通院するという状況でした。昨年の正月段階では、まだ頑張っていたのですが、一月も半ばを過ぎると急に容態が悪化して、1月22日に亡くなりました。言葉が出ないというのは、全くこういうことです。

4月になると、どういう訳か、友人の紹介で、呆気なく再就職も決まり、就活をしている時は、管理職のような立場での雇用は難しいのであろうな、と思っていたのですが、どういう訳か、責任者の立場にもなり、比較的好き勝手にやっているという感じです。有難いことです。

それに先立つこと、3月のことですが、ツイッタージェイムズ・ジョイスユリシーズ』のon lineでの読書会(「22Ulyssesージェイムズ・ジョイスユリシーズ』への招待」)があるとのことで参加したところ、これに嵌ってしまい、他の読書が全くできない羽目に陥りました。隔週で行われたのですが、予習が全く追いつかず、閉口しましたが、テキストの細部を徹底的に読み込む(と言う程までは全く辿り着けなかったのですが)ことの面白さを堪能しました。やはり、問題は全く他の読書やらが全く進まないということで、読書会そのものは12月まで続いたのですが、10月半ば以降はほぼリタイア状態になってしまったのは残念でした。しかしながら、発起人の若手の研究者の皆さんの優しい心遣いに励まされて、何とか、『ユリシーズ』を一応読み切ったことはありがたいことでした。

そのジョイス沼の余波で、夏には日本ジェイムズ・ジョイス協会の定例総会にも参加したり、神保町の一棚書店「PASSAGE by ALL REVIEWS」に出棚して、ほぼ一年間「総特集=ジェイムズ・ジョイス」として本の販売などもしました。

10月には柄谷行人さんの新著『力と交換様式』が刊行されたものの、内容、主題に納得ができず、批判文を書き始め、まだ、それを書き続けているところです。完成するのかどうか怪しい限りですが、今のところ75,000字ぐらいになってます(笑)。

年の瀬に入り、突如AKが引越すと言い出し、1月の終わりには、K県のH市(田舎です)の、賃貸の一軒家に引っ越すことになりました。本が多いので、床が抜けてしまうのが心配です。会社には近くなるので、それはいいことですが、駅から徒歩で17分というのは、ちょっときついかな。自転車に乗るにしても、雨や雪の日は歩かざるを得ないということになります。ま、なるようになるかな。

で、執筆状況は、というと、年初の辺りはドストエフスキー関係を中心に読んだり、書いたりしていました。「『罪と罰』に関する予備的考察」が未完に終わったのは残念です。死ぬまでにドストに戻れるのでしょうか?

夏明けには「吾輩は犬ではない。名前はまだない。「誰でもない」からだ。――柳瀬尚紀ジェイムズ・ジョイスの謎を解く』を読む」という柳瀬さんへの批判文を書きました。どうも悪口を書くのは精神的によくない気がします。

そうこうしているうちに、一年が終わってしまったのです。

秋以降(正確な日付不明)、AKがDTを始めたのと、もともと不調だった自身の胃腸の調子をよくするために、納豆+めかぶ+ネギ+生卵+豆腐という食事を続けています。効果のほどは定かではないですが、多分、以前よりは快調なのかな、と思います。

ところで、昨夜、10時ぐらいから、急激に体調が思わしくなくなり、頭痛や節々の痛みなどを覚えたのですが、熱はないようでしたが、眠気を覚え、酒も飲まずに11時には床に就きました。断続的にトイレに立ちましたが、結局12月31日の午前11時ぐらいまで寝てしまいました。起床するとなんとか、持ち直したようでしたが、依然としてくらくらする気もします。原因不明です。何かのアレルギーかも知れません。

話は変わりますが、最近は坂本龍一さんの旧作「blu」(2014年・https://youtu.be/pWI5aVKvkCg

という作品を好んで視聴しています。例の如くYouTubeで聴けます。元々は洋服の青山のCM曲だったようですが(という訳で、「blu」はイタリア語で「青」)、音楽学的なことは全く分かりませんが、全体のリズム感や曲調はモーリス・ラヴェルの「ボレロ」に似ているような感じもします。単一のメロディー・ラインを坂本演奏するところのピアノと、彼が指揮するオーケストラが何度も繰り返していきます。仄かな明るさを湛えながら、何やらそこに悲しみの一滴が波紋のように広がっていきます。ここに何らかの芸術的な達成があるのか、と言うと、ほとんど無に等しいと言わざるを得ないのかも知れませんが、耳に残るメロディーだけではなく、何らかの余韻のような、呼吸のようなものを作品の形で残した坂本龍一という稀有な音楽的存在は否定できないでしょう。

現在、坂本さんは、癌で闘病中とのことですが、是非、乗り切って一日でも長く生きられることを心よりお祈りしております。

という訳で、そんなこんなの年のはじめです。

🐤

 

2022年12月31日 22:16

 

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