鳥  批評と創造の試み

主として現代日本の文学と思想について呟きます。

『現代思想 特集=小林秀雄』が旅立ちました!

鳥の事務所PASSAGE店通信 ◎総特集=批評を遠く離れて――小林秀雄歿後40年 『現代思想 特集=小林秀雄』が旅立ちました! 皆さん、今日は。鳥の事務所です。 いやー、マジで暑いですね。うちは空調がなく、冷風扇と扇風機で、この暑さを耐えております。死なな…

観察者、あるいは批評家としてのカポーティ トルーマン・カポーティ『犬は吠えるⅠ――ローカル・カラー/観察日記』 

◎総特集=トルーマン・カポーティ×村上春樹――カポーティ『遠い声、遠い部屋』新訳刊行に寄せてトルーマン・カポーティ―を読む 観察者、あるいは批評家としてのカポーティ トルーマン・カポーティ『犬は吠えるⅠ――ローカル・カラー/観察日記』 ■Truman Capote…

心なしか、心躍る愉しい悪夢の形 フジモトマサル『〈新版〉夢みごこち』 

Keep Calm and Read Murakami~村上春樹を読む フジモトマサルを読む 心なしか、心躍る愉しい悪夢の形 フジモトマサル『〈新版〉夢みごこち』 ■フジモトマサル『〈新版〉夢みごこち』旧版2011年1月・平凡社/新版・解説、村上春樹・2022年3月24日・平凡社…

炎天下SKに行く、網野善彦『古文書返却の旅』ついに発見、『もののけ姫』観る

遍 歴 炎天下SKに行く、網野善彦『古文書返却の旅』ついに発見、『もののけ姫』観る 2023年7月23日(日曜日) 晴れ☀ 昨日から相方が異世界に行ってしまったので、一人暮らし、5日間。 問題点は、全部どうでもいいやとか思っちゃうこと。ご飯もまともに…

豊饒なる「南部」の喪失 トルーマン・カポーティ『真夏の航海』 

◎総特集=トルーマン・カポーティ×村上春樹――カポーティ『遠い声、遠い部屋』新訳刊行に寄せてトルーマン・カポーティ―を読む 豊饒なる「南部」の喪失 トルーマン・カポーティ『真夏の航海』 ■Truman Capote, Summer Crossing,2005/トルーマン・カポーティ…

小林秀雄『白鳥・宣長・言葉』が旅立ちました!  

鳥の事務所PASSAGE店通信 ◎総特集=批評を遠く離れて――小林秀雄歿後40年 小林秀雄『白鳥・宣長・言葉』が旅立ちました! 皆さん、今日は。鳥の事務所です。 本日もお暑い中一冊お買い上げ頂きました。誠に有難う御座いました。 これで開棚以来44冊お買い上げ…

『呪術』、『カリオストロ』、カポーティ……

遍 歴 『呪術』、『カリオストロ』、カポーティ…… 2023年7月16日(日曜日) 晴れ☀ 今33℃ つーか、また滅茶苦茶暑いではないか! エアコンなしでの耐久レイスを敢行中。 あれからどうしたかというと、『呪術廻戦0』を見終わったが、うーーん、どうなん…

余り、何も進んでない気もするが、一日が終わった。ま、いっか。

遍 歴 余り、何も進んでない気もするが、一日が終わった。ま、いっか。 2023年7月14日(金曜日) 曇り⛅時々晴れ☀ 昨日はあれから、夏野菜の焼浸しとスープを夕食。 『呪術廻戦』のテレ‐ヴィジョン・アニメイションの第二期の第二話を見て、その流れで、…

嵐は過ぎ去った気もするが?

遍 歴 嵐は過ぎ去った気もするが? 2023年7月13日(木曜日) 雨☔時々曇り⛅ 来るなら来い。どんな嵐のときでも時は過ぎていく。――シェイクスピア『マクベス』(江藤淳訳) 尋常ならざる暑さの数日間の後、本日は大変涼しい。うちにクーラーがないので、昨日…

樹の上に座礁した方舟 トルーマン・カポーティ『草の竪琴』 

トルーマン・カポーティ―を読む 樹の上に座礁した方舟 トルーマン・カポーティ『草の竪琴』 ■Truman Capote, The Grass Harp,1951/トルーマン・カポーティ『草の竪琴』小林薫訳・1971年2月10日・新潮社。 ■翻訳・中篇小説。 ■目次 ・1~7 ・あとがき(小…

嵐は過ぎ去ったのか?

遍 歴 嵐は過ぎ去ったのか? 2023年7月2日(日曜日) 晴れ☀ 来るなら来い。どんな嵐のときでも時は過ぎていく。――シェイクスピア『マクベス』(江藤淳訳) 2ヶ月振りの日記の更新だ。マジで死ぬかと思った。5月の頭では全く予想していなかったが、KSをY…

新しい葡萄酒に相応しい新しい革袋を探して トルーマン・カポーティ『ここから世界が始まる』    

Keep Calm and Read Murakami~村上春樹を読む トルーマン・カポーティを読む 新しい葡萄酒に相応しい新しい革袋を探して トルーマン・カポーティ『ここから世界が始まる』 ■Truman Capote, The Early Stories of Truman Capote, 2015/トルーマン・カポーテ…

原作漫画とは一味も二味も違う佳品 荒木飛呂彦『岸辺露伴ルーヴルへ行く』 渡辺一貴監督『岸辺露伴ルーヴルへ行く』 『VISUAL BOOK 岸辺露伴ルーヴルへ行く』

荒木飛呂彦を読む/観る 原作漫画とは一味も二味も違う佳品 荒木飛呂彦『岸辺露伴ルーヴルへ行く』 渡辺一貴監督『岸辺露伴ルーヴルへ行く』 『VISUAL BOOK 岸辺露伴ルーヴルへ行く』 ■荒木飛呂彦『岸辺露伴ルーヴルへ行く』2011年5月31日・UJ愛蔵版(集英…

何もかもが美しくて、 たとえば誕生日の子どもたちのようなところ*[1] トルーマン・カポーティ、村上春樹訳『誕生日の子どもたち

Keep Calm and Read Murakami~村上春樹を読む 何もかもが美しくて、 たとえば誕生日の子どもたちのようなところ*[1] トルーマン・カポーティ、村上春樹訳『誕生日の子どもたち』 ■Truman Capote, Children on Their Birthdays,1945-1995/トルーマン・カポ…

岩波文庫版『中原中也詩集』が旅立ちました!

鳥の事務所PASSAGE店通信 ◎総特集=批評を遠く離れて――小林秀雄歿後40年 岩波文庫版『中原中也詩集』が旅立ちました! 皆さん、今日は。鳥の事務所です。 本日は詩集をお買い上げ頂きました。誠に有難う御座いました。 これで開棚以来43冊お買い上げいただい…

「軟着陸」を排して「難着陸」を試みる    村上春樹『一人称単数』 

村上春樹試論 Ⅵ 「軟着陸」を排して「難着陸」を試みる 村上春樹『一人称単数』 ■村上春樹『一人称単数』2020年7月20日・文藝春秋。 ■1,500円(税抜き)。 ■連作短篇小説集。 ■235ページ。 ■装画 豊田徹也・装丁 大久保明子。 ■収録作品 書き下ろしである表…

一貫した端正な絵柄    荒木飛呂彦『魔少年ビーティー』

荒木飛呂彦を読む/観る 一貫した端正な絵柄 荒木飛呂彦『魔少年ビーティー』 ■荒木飛呂彦『魔少年ビーティー』1984年10月・ジャンプ・コミックス(集英社)/2000年6月21日・集英社文庫(コミック版)。 ■短篇連作漫画。 ■全6話、あとがき。213ページ。 ■…

荒木 飛呂彦 著作一覧

荒木 飛呂彦 著作一覧 荒木 飛呂彦(あらき ひろひこ、1960年〈昭和35年〉6月7日 - )は、日本の漫画家。1980年(昭和55年)、「武装ポーカー」でデビュー(荒木利之名義)。代表作は『週刊少年ジャンプ』(集英社)1987年1・2号から連載開始された『ジョジ…

トルーマン・カポーティ 著作一覧

トルーマン・カポーティ 著作一覧 トルーマン・ガルシア・カポーティ(Truman Garcia Capote, 1924年9月30日 - 1984年8月25日)は、アメリカの小説家。 ■主な作品 ※下記は新版での主な日本語訳 Summer Crossing(執筆は1940年代と推定、出版は2005年)・『真…

文庫版『本居宣長』が旅立ちました!

鳥の事務所PASSAGE店通信 ◎総特集=批評を遠く離れて――小林秀雄歿後40年 文庫版『本居宣長』が旅立ちました! 皆さん、今日は。鳥の事務所です。 大変な暴風雨ですが(スイマセン、6/2金曜日の記述ですね)、皆様のお住まいの辺りは大丈夫でしょうか。被…

Unhappy birthday to you! 村上春樹編訳『バースデイ・ストーリーズ』 

Keep Calm and Read Murakami~村上春樹を読む Unhappy birthday to you! 村上春樹編訳『バースデイ・ストーリーズ』 ■村上春樹編訳『バースデイ・ストーリーズ』2002年・12月7日・中央公論新社。 ■翻訳・短篇小説集。 ■目次 ラッセル・バンクス「ムーア人…

めっちゃ、売れました!

鳥の事務所PASSAGE店通信 ◎総特集=批評を遠く離れて――小林秀雄歿後40年 めっちゃ、売れました! 皆さん、今日は。鳥の事務所です。 本日、神保町界隈は「すずらん祭り」とのことで大いに賑わったことと思います。わたしは一日自宅で仕事をしておりました((…

稀代のストーリー・テラー迷走か? 万城目学『パーマネント神喜劇』

万城目学を読む 稀代のストーリー・テラー迷走か? 万城目学『パーマネント神喜劇』 ■万城目学『パーマネント神喜劇』2017年6月20日・新潮社。 ■連作短篇。 ■2023年5月21日読了。 ■採点 ★☆☆☆☆。 これはいただけない、残念ながら。2013年の『とっぴんぱらり…

万城目学 著作一覧

万城目学 著作一覧 万城目 学(まきめ まなぶ・1976年(昭和51年)2月27日 - )は、日本の小説家。大阪府出身、東京都在住。京都大学法学部卒業。『鴨川ホルモー』『プリンセス・トヨトミ』などの、実在の事物や日常の中に奇想天外な非日常性を持ち込むファ…

ここに「青春」はあるか? 万城目学『べらぼうくん』

万城目学を読む ここに「青春」はあるか? 万城目学『べらぼうくん』 ■万城目学『べらぼうくん』2019年10月10日・文藝春秋。 ■長篇エッセイ。 ■2023年12月5日読了。 ■採点 ★★☆☆☆。 『鴨川ホルモー』などの奇想的エンターテインメントな長篇小説で知られる万…

早速、三冊旅立ちました

鳥の事務所PASSAGE店通信 ◎総特集=批評を遠く離れて――小林秀雄歿後40年 早速、三冊旅立ちました 皆さん、今日は。鳥の事務所です。 昨日、郵送にて搬入したところ、早速3冊お買い上げ頂いたようです。ユイ社長、スタッフの皆さま、誠に有難う御座います。…

以下は『鳥』第15号のあとがきです。 ◆こ と の 次 第 ◆ Der Stand der Dinge◆ ぶ た く さ の 舞 い 散 る 午 後 の 春 の 日 に わ れ 泣 き 濡 れ て 花 粉 に 苦 し む という訳で、4月にもなり、相変わらず体調もよろしからず、仕事も絶不調の極みでは…

未完成ではなかったのか? 丸谷才一『持ち重りする薔薇の花』

〇丸谷才一を読む〇 未完成ではなかったのか? 丸谷才一『持ち重りする薔薇の花』 ■丸谷才一『持ち重りする薔薇の花』2011年10月25日・新潮社。 ■長篇小説。 ■全5章、199ページ。 ■初出 『新潮』2011年10月号。 ■2023年5月14日読了。 ■採点 ☆☆☆☆☆。 目次 …

半年振りの復活なのか?

鳥の事務所PASSAGE店通信 ◎総特集=批評を遠く離れて――小林秀雄歿後40年 鳥の事務所PASSAGE店通信 ◎総特集=批評を遠く離れて――小林秀雄歿後40年 半年振りの復活なのか? 皆さん、今日は。鳥の事務所です。お久しぶりです。半年振りです。いやー、あれから、…

「若い小説家」の誕生

Jジェイムズ・ジョイスを読むJ 「若い小説家」の誕生 ジェイムズ・ジョイス 『若い藝術家の肖像』 ■James Joyce,A Portrait of the Artist as a Young Man,1916/ジェイムズ・ジョイス『若い藝術家の肖像』1916年/丸谷才一訳・1969年・講談社/1979年・講談…