鳥  批評と創造の試み

主として現代日本の文学と思想について呟きます。

読書ノート

謎々『ユリシーズ』その12 哄笑する「語り手」の影――「第12挿話 キュクロプス」を読む

Ⅻ Κύκλωψ エラスムス・フランキスキ(Erasmus Francisci)の著書に見られるキュクロープスの挿絵(ウィキペデアより援引) 謎々『ユリシーズ』その12 哄笑する「語り手」の影*[1] ――「第12挿話 キュクロプス」を読む 【凡例】 ・『ユリシーズ』からの引用…

「世界」を知ろうとすること――「世界」への異和、「世界」への絶望 山本芳久『アリストテレス 二コマコス倫理学』

「世界」を知ろうとすること――「世界」への異和、「世界」への絶望 山本芳久『アリストテレス 二コマコス倫理学』 ■山本芳久『アリストテレス 二コマコス倫理学』2022年5月1日・100分de名著(NHK出版)。 ■有隣堂町田店・ ¥600にて購入。 ■テキスト・長…

人間の拡張 ――村上春樹「眠り」考

Ⅴ 村上春樹試論 Ⅴ 人間の拡張 ――村上春樹「眠り」考 人間の拡張 ――村上春樹「眠り」考 1 夢見るための目覚め 2 「ねむり」 3 覚醒、あるいは人生の拡大 4 眠りの反転 5 内面の世界へ 6 「人間の拡張」 1 夢見るための目覚め 「夢を見るために毎朝僕は…